東北優駿・早池峰賞・ウイナーC・一條記念みちのく大賞典

 約1カ月の水沢競馬が終了。6月28日から舞台は盛岡競馬場に替わり、同日からいよいよ芝競走がスタートする。さっそくメインで3歳重賞・サファイア賞(芝1700m)が行われる。今年度の芝競走は1カ月の水沢競馬を挟んで10月末まで、一般競走を含めておおむね30レース、重賞7レースが実施される予定だ。レース数が限定されるのは、芝の傷みや、11月ごろから気温が一気に下がることを考慮したためだが、昨年の全25レースよりは増える。

今後、盛岡競馬ではダート・芝の両メニューを楽しめる。また7月20日のJpnⅢ「第30回マーキュリーカップ(メイセイオペラ記念)」(盛岡ダート2000m)を皮切りに、ダートグレードシリーズに突入する。今年もJpnⅢ「第31回クラスターカップ」(8月11日)、JpnⅡ「第58回不来方賞」(9月1日)、JpnⅠ「第39回マイルチャンピオンシップ南部杯」(10月12日)の4レース。後述するが、今年の岩手勢力図は大きく変わりつつあり、ダートグレードでの健闘を期待したい。

東北優駿

 続いて重賞レース回顧。5月31日、岩手クラシック二冠目「第34回東北優駿」(マインドユアビスケッツ賞、1着賞金1500万円、水沢2000m)が行われ、レジェンドバローズ(牡3、父コパノリッキー、母スイートスズラン=シンボリクリスエス、日高・シンボリ牧場生産、馬主・猪熊広次氏)が完勝。1番人気セイクリスティーナを3馬身差で退けた。レジェンドバローズはデビューから圧勝に次ぐ圧勝で3連勝。重賞のビギナーズカップも圧勝したが、ネクストスター盛岡を控えて脚部不安が発生。戦列離脱を余儀なくされたが、東日本交流・ダイヤモンドカップで復帰した。さすがに久々の実戦がこたえて5着に沈んだが、ひと叩きされて反応が一変した。兄は東北優駿、不来方賞(当時は地元重賞)、ダービーグランプリ(地方全国交流 現在は廃止)の3歳重賞3連勝を飾り、南関東移籍後も重賞2勝をマークしたフレッチャビアンカ(父キンシャサノキセキ)。岩手にもなじみの血統馬が復活の雄たけびを上げた。

 菅原勲調教師「一度使ったことで状態が上がっていた。楽に逃げることができたなら逃げていいし、2、3番手でも折り合いがつく馬なので番手でもいいと指示した。思っていた通りのレースをしてくれた。能力がある馬なので今後は脚元と相談しながらレースを選んでいきたい。東北優駿を目標にしてきたので、ひと息入れたいと思っている」。 僚馬のフォースメンはダイヤモンドカップを完勝後、予定通りJpnⅠ「東京ダービー」に挑戦したが、力及ばず10着に終わった。菅原調教師「完成はまだ先だが、大舞台の経験を今後に生かしてほしい」。おそらく両馬ともJpnⅡ・不来方賞を目指すに違いない。

早池峰賞

 6月7日はスプリント重賞「第42回早池峰賞」(1着賞金450万円、水沢1400m)。昨年まで「早池峰スーパースプリント」の名称で盛岡ダート1000m、水沢850mの距離で行われていたが、今年から改称。距離も1400mへ変更し、11年ぶりに早池峰賞の名称が復活した。優勝したのはルコルセール(牡8、父ロードカナロア、母ラバヤデール=サンデーサイレンス、安平・追分ファーム生産、馬主・稲場澄氏)。直線で先頭に立ったスプラウティングをきっちり差し切って快勝。転入後、無敗で重賞3連勝を飾った。  

菅原勲調教師「今回もいい状態で臨むことができたし、強い内容で勝ってくれた。次走予定は岩鷲賞。ベストは1400mだが、現状は短い距離が合うので1200mも大丈夫だと思っている」。次走は初の1200mへと臨む。

ウイナーC

 14日は3歳地方競馬交流ハヤテスプリント・トライアル「第50回ウイナーカップ」(1着賞金400万円、水沢1400m)。勝ったのはベアコルム(牝3、父ミスターメロディ、母アンプレショニスト=エアジハード、日高・増尾牧場生産、馬主・高橋一己氏)。中央芝4戦0勝から転入後、自在脚質を武器に連戦連勝。5連勝目がうれしい重賞制覇となった。

 菅原勲調教師「位置は出たなりだろうなと思っていたが、抜群のスタートを切って、馬の持ち味を発揮してくれた。道中は我慢するところで我慢して余裕があったので、これなら勝てるだろうと思った。ハヤテスプリントの優先出走権を獲得したが、1200mの忙しい競馬が合わない印象。中央時代に芝で好走実績があるので盛岡芝を視界に入れながら次走を決めたい」

一條記念みちのく大賞典

 21日は岩手伝統の「第54回一條記念みちのく大賞典」(クリソベリル賞、1着賞金1500万円、水沢2000m)。優勝はリケアカプチーノ(騙4、父トランセンド、母ブラウンテヌート=シンボリクリスエス、浦河・金石牧場生産、馬主・稲場澄氏)。逃げたヒロシクンの2番手を追走し、直線で力強く抜け出して2馬身半差で完勝。7年ぶりに水沢2000mのレコードを塗り替え、史上8頭目の連覇を達成した。

 菅原勲調教師「スタートがすべてだと思っていたが、うまく2番手につけてくれた。ヒロシクンとは去年も戦っているし、その頃よりリケアカプチーノが成長しているので、4コーナーを回る時には大丈夫だなと思った。去勢の影響で状態が上がるのが少し遅れたが、徐々に良くなってきた。これからもっと良くなるはず。次走は現時点では白紙。少し休ませてから考えたいと思っている」。お気づきになったと思うが、今回の優勝馬はすべて菅原勲調教師の管理馬で、4週連続で重賞制覇の快挙を果たした。今後も所属馬と同様、菅原師の動向に目が離せない。