絆カップ・寒菊賞・北上川大賞典

 今シーズンの盛岡競馬は11月18日をもって全日程が終了。翌週24日から舞台は水沢競馬場へ移り、通常開催の最終日12月31日までラストスパートに突入した。

 盛岡競馬の終了時点で発売総額は前年比103.4%。前回報告したとおり10月13日のJpnⅠ「第38回マイルチャンピオンシップ南部杯」当日のJBC開催を除く岩手競馬の売り上げレコード更新も後押し。好ムードで盛岡競馬は全日程を終えた。

絆カップ

 その盛岡競馬のフィナーレ重賞を飾ったのは11月16日の「第15回絆カップ」(1着賞金400万円、ダート1200m)。優勝したのは英国産のウラヤ(牡6、父ニューアプローチ、母ワディ=パイロ、馬主・鈴木雅俊氏)。単勝1.5倍の1番人気に応え、ゴール前でスプラウティングをきっちり交わして堂々2連覇を達成した。

 畠山信一調教師「いい状態で臨めたことが何よりだったし、内枠に入ったことも良かった。一息入れた前走を叩いて今回は予定どおりのステップ。ウラヤはワンターンのレースがベストだから、絆カップ2連覇が目標だった。次走予定はトウケイニセイ記念。昨年と同様、シーズンラストの一戦になると思う」

寒菊賞

 24日は水沢1600mを舞台に行われた2歳の金杯トライアル「第23回寒菊賞」(1着賞金350万円)。単勝1.1倍の圧倒的1番人気に支持されたセイクリスティーナ(牝、父タリスマニック、母グロワールポン=オルフェーヴル、浦河・T.Mファーム合同会社生産、馬主・金田成基氏)が7馬身差で圧勝。牝馬2歳交流・プリンセスカップでは門別勢に完敗の3着に敗れたが、地元同士の戦いでは能力の違いが歴然。重賞4勝目をマークした。

 佐々木由則調教師「今日はメンバーが甘かったが、パドックがおとなしくて少し心配したけど結果は楽勝。気性的に大人になったかもしれない。タイム(1分43秒3)もこの時期の2歳馬なら上々だったと思う。次走については金杯も視界に入っているが、オーナーと相談の上で決めたいと思う」

 12月21日は来期クラシックにも直結する「第50回金杯」(1着賞金400万円、水沢1600m)。仮にセイクリスティーナが出走すれば1番人気が確実だが、佐々木由則厩舎には期待の牡馬ディオニス、ジェイエルビットも控えている。まずは決定を待ちたい。

北上川大賞典

 11月30日は岩手競馬の最長距離重賞「第47回北上川大賞典」(1着賞金500万円、水沢2500m)。人気を集めたのは北國王冠(金沢)で3着を確保したリケアカプチーノだったが、2番人気サクラトップキッド(牡4、父ビーチパトロール、母サクラトップクイン=ジャングルポケット、新冠・細川農場生産、馬主・㈱トップフェロウ)が鮮やかな逃げ切りを決めて完勝。史上9頭目の2連覇を果たした。

 伊藤和忍調教師「大外に入ったが、スタートを決めてくれた。逃げは想定ではなかったが、キックバックを嫌がるのでジョッキーの好判断だったと思う。2周目3コーナーで後続を離してセーフティリードだったから、何とか我慢してくれそうだと思った。北國王冠でリケアカプチーノに先着されたが、力負けとは思っていなかった。遠征の反動もなく状態も良かったので、なんとか勝ちたかった。この勝利が厩舎の通算500勝。すばらしいメモリアルレースになりました」

 サクラトップキッドは今季未勝利だったが、JpnⅢ・マーキュリーカップで4着に健闘。金沢の2戦は白山大賞典7着、北國王冠6着だったが、2度の遠征経験も今回の勝利につながったと高橋悠里騎手は語った。

 次走予定は12月31日、ファン投票「第49回桐花賞」(1着賞金1500万円、水沢2000m)だが、今年は年度代表馬を賭けた争い。例年にも増して各陣営は力が入っている。

 北上川大賞典で2着に敗れたリケアカプチーノは高知から転入後、3歳重賞・東北優駿、トパーズカップ、そして岩手古馬の最高峰・一條記念みちのく大賞典と重賞3勝。

 春のマイル重賞・赤松杯、シアンモア記念を制し、青藍賞で2連覇を達成したヒロシクンも桐花賞が最終目標。昨年4着の雪辱に燃えている。

 前後するが、12月1日に朗報が入った。2年間、厩務員の仕事に従事していた齋藤友香さんが騎手免許を取得。菅原学さんが調教師免許を取得した。両名とも齋藤雄一厩舎の所属で合格した。

 岩手競馬の女性騎手は高橋クニさん(けいが速歩)から史上10人目。平地では故・高橋優子さんから史上9人目となる。

 齋藤友香騎手「物心がついた時から父(齋藤雄一元騎手 現調教師)が騎乗する姿にあこがれていました。勝負服は父が小西重征先生から受けついたデザインと同じです。大目標は父。現役ではレイチェル・キング騎手。デビュー予定は3月ですが、技術的にまだまだ未熟ですから頑張って上げていきたいと思っています」

 菅原学調教師「6回目の受験でようやく合格できました。周囲の皆さんにご迷惑、ご心配をおかけしましたから、これから恩返ししていきたいと思っています。2月1日に開業。早ければ3月に管理馬をデビューさせる予定ですが、合格できるまで時間がかかりましたからね。じっくり楽しみながら準備を進めていきます」

 8月1日付で交付済みの及川(旧姓・坂口)裕一調教師、西野直樹調教師も3月競馬から管理馬を送り出す予定だ。

 ゆく年くる年。まずは12月31日まで、岩手競馬は全力で駆け抜ける。