白嶺賞・ネクストスター北日本・赤松杯・留守杯日高賞

 3月31日、2025年度岩手競馬の全日程が終了。前号でお知らせした通り、過去最高の発売額を記録した。

 従来の記録は91年度の689億9055万1400円だったが、25年度は698億2128万5600円で実に34年ぶりの更新となった。

 当時はスイフトセイダイ、グレートホープの全盛期。さらに岩手競馬専用場外発売施設(通称・テレトラック)を続々と開設し、初の正月競馬も実施した。その後、存廃問題や東日本大震災などの影響で長く厳しい時代が続いたが、ネット発売、JRAを含めた広域化などで徐々に回復。ついには前年度(24年度)比104.2%を売り上げ、発売記録を更新した。

 そして翌週の4月5日に26年度の岩手競馬がスタートした。レースに先立ち、毎年恒例のセレモニーが行われ、岩手県競馬組合の管理者・達増拓也県知事が開幕宣言。続いて岩手県調騎会騎手部会会長・山本政聡騎手が宣誓を行った。

 昨年まで弟の山本聡哉騎手が会長職を務めたが、今年度は長兄・政聡騎手が就任した。所属だった小西重征調教師が昨年いっぱいで勇退し、小西師の弟子2人が今年3月に開業。西野直樹調教師は初出走・初勝利の好発進を決め、山本政聡騎手が所属する菅原学調教師は出走2度目で初勝利を挙げた。2頭とも山本政聡騎手が騎乗し、2人の門出を祝った。

 三男・山本聡紀騎手(船橋所属)は、今年も4月12日から岩手競馬の騎乗を開始した。山本政聡騎手は三兄弟の長兄として、騎手部会の会長就任などで例年以上に気合いが入っている。

白嶺賞

 続いて重賞報告。3月29日、25年度を締めくくった「第32回白嶺賞」(1着賞金350万円、水沢1400m)はカナオールウェイズ(騙6、父ロードカナロア、母ガリレオオールウェイズ=ガリレオ 安平・ノーザンファーム生産、馬主・稲場澄氏、菅原勲厩舎)が、1番人気スプラウティングとの接戦を制して快勝。距離不足が懸念材料だったが、桐花賞3着の地力で突き抜けた。

 菅原調教師「調子が決して良かったわけではなかったが、よく頑張ってくれた。1400m戦も久々だったが、改めて底力があるなと思った。今日の感じだと距離がもっとあった方がいい印象。芝が始まればその選択肢もあるので、柔軟に考えていきたいと思っている」

ネクストスター北日本

 4月5日、開幕初日を飾るメインは北海道・岩手3歳交流「第3回ネクストスター北日本」(グレナディアガーズ賞、1着賞金1200万円、水沢1400m)。第1回は門別、第2回は水沢で行われたが、今年から岩手が舞台となる。優勝はゴッドバロック(牡、父シルバーステート、母オーサムクイーン=クロフネ、新冠・岩見牧場生産、馬主・㈲岩見牧場、北海道・角川秀樹厩舎)。戦前の予想通りティーズアライトが先手を主張したが、早々と2番手をキープ。いつでも抜け出せる態勢に持ち込み、直線であっさり抜け出して5馬身差で圧勝。JpnⅡ兵庫ジュニアグランプリ2着がダテではなかったことを証明した。

 角川調教師「ジョッキーには園田のレースは忘れて、いつもより前目の競馬でと伝えた。思いの外スムーズに2番手につけた時点で、ほぼ間違いないんじゃないかなと思った。欲を言えばもう少しプラス体重で休み明けを使いたかったのが本音だが、しっかり力を出せる状態で挑んだ。次走は北斗盃を考えているが、まずは馬体重を戻して一呼吸置きたいと思っている」

赤松杯

 14日はシアンモア記念トライアル「第51回赤松杯」(1着賞金500万円、水沢1600m)。1番人気に支持されたヒロシクン(騙7、父ドレフォン、母エスプリドパリ=ハーツクライ、白老・㈲社台コーポレーション白老ファーム生産、馬主・瀬谷隆雄氏、佐藤雅彦調教師)が厳しいマークをはねのけ、4馬身差で完勝。ナムラタイタン(3連覇)以来の赤松杯連覇を果たした。

 佐藤調教師「冬期間は昨年と同様、宮城県の牧場で休養させて3月中旬に厩舎へ戻って来た。牧場でも乗ってもらったし、帰厩後もキッチリ乗り込んだので納得のいく状態だった。今回はマークがさらに厳しくなると思っていた。ヒロシクン自身も一つ年齢を重ねたから、半信半疑のところはあったが、強い内容で勝ってくれた。レース前は栗駒賞も選択肢に入っていたが、ここを勝ってくれたので次走はシアンモア記念へ直行したい」。今年も好発進を決めたヒロシクンは、史上6頭目のシアンモア記念2連覇を目指す。

留守杯日高賞

 19日は牝馬によるグランダム・ジャパン3歳シーズン第4戦「第26回留守杯日高賞」(ロゴタイプ賞、1着賞金600万円、水沢1600m)。トリップスとセイクリスティーナが人気を分け合ったが、最終的に1番人気に支持されたセイクリスティーナ(父タリスマニック、母グロワールポン=オルフェーヴル、浦河・T.Mファーム合同会社生産、馬主・金田成基氏、佐々木由則厩舎)が、逃げ込みを図るトリップスをきっちり捕らえて快勝。17年、ダンストンレガーメ以来、9年ぶりに地元へ優勝をもたらした。

 佐々木調教師「あやめ賞はプラス17キロだったが、10キロは成長分。ひと叩きされていい感じで仕上がった。4コーナーではトリップスにやられたと思ったが、最後の最後まで頑張ってくれた。力をつけているし、切れも出てきている。反応するところでも反応するので大人になったと思う。盛岡より水沢の方が動くと言われるのは機動性があるからだと思うが、盛岡も問題ない。この後は東北優駿へ直行したいと考えている」

 5月4日から戦いの舞台は盛岡へと替わる。盛岡競馬場=OROパークの開設は96年。今年区切りの30周年を迎え、注目の重賞がめじろ押しだ。岩手競馬が再開して2カ月が過ぎ、本格的な競馬シーズンが到来する。