~新年度の開催日程発表 兵庫三冠に大きな変化~
各地方競馬で4月以降となる令和8年度の開催日程や重賞日程が発表されはじめました。高知競馬では今年も8月2日の開催を最後に約1カ月の休催予定。年々、深刻化する酷暑を避けることに加え、3年目となる馬場改修に充てられる予定となっています。
園田・姫路競馬では4月から年末までは全日程で園田競馬場での開催。その金ナイターは5月15日から10月30日まで25週にわたって行われます。
さて、その中で興味深かったのが兵庫三冠の日程。菊水賞、兵庫優駿、園田オータムトロフィーで構成される路線を、昨年はオケマルが史上初の無敗で兵庫三冠馬に輝いたことで話題を集めました。


ところが、活躍とともに露呈したのがダート三冠との両立の難しさ。昨年は菊水賞から中3週で羽田盃、東京ダービーから中1週で兵庫優駿、ジャパンダートクラシック(JDC)の翌日に園田オータムトロフィーという日程でした。一冠目同士は中3週あるため、仮に両レースに出走できたとしても、二冠目と三冠目は万全の状態での出走は難しいレース間隔。オケマルを管理する盛本信春調教師は当時、心境をこう語っていました。
「本当はダート三冠にもぜひ挑戦したいと思いますが、日程を見ると厳しいです。これまでは挑戦する人がいなかったので大きな議題になりませんでしたが、実際に可能性のある立場になってみて感じることが色々とあります。今後、競馬組合と日程について話し合いながら考えていかないといけないと痛感しました。オケマルに関しては、オーナーも兵庫三冠を獲りたいとおっしゃっているので、そこに重点を置きます」

前年から始まったダート三冠はJRA・地方競馬の垣根を越えてダート3歳頂点を決めようという意義あるものでしたが、各地にも三冠競走やかつて「ダービー」と呼ばれた地元で重んじられてきたレースがあり、それらとの日程調整はまだ十分とは言えないものでした。
それについては2024年東京ダービー4着、JDC5着のシンメデージーを管理する打越勇児調教師も昨年2月のNARグランプリ授賞式の壇上でこう話していました。
「高知の三冠路線も狙っていたので、どちらを選択するか、正直悩みました。各地でも地元の重賞戦線かダート三冠か、悩むところだと思います。地元重賞に出走しつつ、ダート三冠に挑戦できるような体制になれば、もっと強い馬が集まってレースができると思います」
シンメデージーの場合は、同世代で同厩舎のプリフロオールイン(のちの高知三冠馬)の存在や、東京ダービー指定競走の西日本クラシックを勝ち、周囲からのあと押しもあったことで東京ダービーへの挑戦が決定。その経緯からは、様々な条件が重ならないと難しいことが伝わってきます。

そうした状況でダート三冠創設3年目を迎える今年。兵庫三冠日程に変化が現れました。最大の特徴は、東京ダービーへ挑戦しやすい日程となったこと。
まず、兵庫優駿と東京ダービーの間隔が昨年の中1週から中4週に広がりました。また、東京ダービー出走にあたっては東京ダービー指定競走を勝つことが望まれ、西日本の地方馬にとって現実的なのは園田競馬場で行われる西日本クラシック。これを昨年の5月2週目から大幅に前倒しして4月16日に実施。そうすることで、たとえば「兵庫優駿と東京ダービー、どちらにも出走したい」という場合、西日本クラシックから中2週で兵庫優駿、そこから中4週で東京ダービーというローテーションが可能となるのです。このレース順もポイントで、昨年までのように東京ダービーが先の場合、レース間隔が取れたとしても遠征によって体調にどの程度影響が出るか心配が生じます。しかし、先に兵庫優駿が行われることで、東京ダービーにより挑戦しやすくなりました。

重賞日程は様々な意見を集約した上で組まれますが、オケマルの登場が一つの検討材料になったのではないかと思われます。理想を掲げてスタートしたダート三冠は、各地のスターホースの出現によって少しずつ理想と現実が近づいてきているように思います。
