~地方競馬ジョッキーズチャンピオンシップ 吉村智洋騎手(兵庫)3回目の優勝!10代騎手も活躍~
6月2日、船橋競馬場で地方競馬ジョッキーズチャンピオンシップが行われました。昨年度の各地のリーディングジョッキーに加え、今年は招待競走地方競馬代表騎手選定委員会が認めた矢野貴之騎手(大井)と小牧太騎手(兵庫)の14名が出場。3戦で覇を競いました。


今年の大きなポイントは若手騎手の多さ。14名中5名が10~20代で、世代交代を感じさせる顔ぶれとなりました。また、JRA勝利経験者も多く、11名が該当。特に若手の野畑凌騎手(川崎)、望月洵輝騎手(愛知)、飛田愛斗騎手(佐賀)はヤングジョッキーズシリーズ(YJS)でJRA初勝利を挙げており、YJSで見せた勢いがその後の地元での活躍にも繋がっています。
こうした全体の流れはレース結果にも反映されました。第1戦を勝ったのは、初出場でデビュー3年目の望月騎手。昨年、重賞初制覇を東海優駿で成し遂げた若武者は、この2日前には初騎乗のナミダノキスで百万石賞を大差勝ちし、重賞勝利を8まで伸ばしていました。
第1戦での騎乗馬はA評価のランク付け。3コーナー手前では外から吉村智洋騎手が捲ってくるのに呼応して追い出し、直線で抜け出しました。
「A評価の馬だったのでここで勝たないと、と思っていました。初騎乗の馬でしたが、力を信じていました。普段騎乗している名古屋より直線が長いので、慌てずじっくり乗りました。南関東で初めての勝利で、楽しかったです」
戦前の想定では1~2列前で運びたかったようですが、そこで焦らなかったのも勝因。デビュー時から好位~中団から脚を伸ばしての勝利が多かったジョッキーで、当時は「先輩騎手のペースを見ながらついていくレースをしています」と話していました。そこで培ったレースの組み立てや追い出しのタイミングが船橋の広いコースでも生きたのでしょう。のちに本人は地方競馬JCSを終えて「トップジョッキーばかりでスタートからポジション争いが激しく、そう簡単にいい位置を取れませんでした」と痛感しており、そこは今後の課題になるでしょうが、広いコースやキレ味のある素質馬に騎乗する時には焦らずに構えられることが武器になりそうです。今年もここまで名古屋リーディング1位。楽しみな若手が全国の舞台でいきなり結果を残しました。


第2戦はさらに若いジョッキーが勝ちました。昨年4月にデビューしたばかりの18歳、中山遥人騎手(浦和)です。昨年度、全国の地方競馬場での勝利数が浦和所属ジョッキーでは1位ということでの出場。まだYJSにも出場したことがない中、先に当シリーズ出場となりました。騎乗馬は返し馬からグイグイ駆けていましたが、「スタートから行かせるつもりだったので、軽く歩幅を伸ばしてストレッチさせた方がいいかな、と考えながら返し馬を行っていました」と中山騎手。騎乗前は単勝オッズを見て緊張したようですが、先手を取ると直線で後続を5馬身離して快勝しました。
「少し掛かる馬と聞いていたので、抑えて最後まで力が残るようにと思いました。いつか抜かれるんじゃないかと怖かったですが、勝ててよかったです。浦和代表として来たので、何も持ち帰らないわけにはいかないと思っていました」
この時点で地方通算75勝。まだ減量特典のあるジョッキーが、先輩トップジョッキーだらけの中で堂々としたレースぶりを見せました。
2戦を終えて暫定1位はともに勝利を挙げた望月騎手と中山騎手が同ポイントで並びました。しかしポイントは僅差で大接戦。最終戦の結果次第で総合優勝の行方は分からない状況でした。


注目の最終戦を勝ったのは吉村智洋騎手。「騎乗馬はハミを噛む感じじゃなくて、2コーナーを回るくらいから目一杯追っていかないといけませんでした。マズいなと思いましたけど、ジリジリ伸びてくれて、4コーナーでは『行ける!』と思いました」。
2戦目を終えて暫定12位でしたから、本人は優勝は難しいと考えていたようで、周囲から「これで優勝かも」と聞かされても「そんなわけないでしょ。僕、ポイント持っていませんよ」と、淡々とした様子。「こんなところでぬか喜びしたらダメ」と言い聞かせていたようですが、実際には2位笹川翼騎手(大井)に1ポイント差で優勝を果たしました。
吉村騎手の優勝は3回目。19年、24年はいずれも地元・園田競馬場で優勝を決めましたが、今回は初めてアウェーの船橋競馬場での優勝となりました。勝った最終戦は2200mだったこともあり、今年3月のダイオライト記念(2400m)をオディロンで勝ったことを引き合いに「船橋の長い距離は相性がいいですね」と喜びました。
これにより、8月22日、23日に行われるワールドオールスタージョッキーズ(札幌競馬場)に地方代表騎手として出場する見込み。過去2回は未勝利でしたが、3度目の正直なるか、注目です。
