~ジュゲムーン高知三冠へ 高知三冠は今年から条件変更~

 6月22日高知優駿(1着賞金1600万円、1900m)をジュゲムーン(牡、父コパノリッキー、母バーバリアン=マンハッタンカフェ、新冠・オリエント牧場生産、馬主・西森鶴氏、田中守厩舎)が勝ち、高知二冠を達成しました。

 門別デビューで4勝を挙げたのち、高知に移籍してきたジュゲムーン。移籍初戦のJpnⅠ全日本2歳優駿でいきなり5着に入り素質の高さを見せると、続くJpnⅢブルーバードカップも5着。初の地元戦となった2月の古馬混合C2クラスでは良馬場でタフさが要求される中、元JRAオープン馬のピンシャン相手に3馬身差をつけて好タイムで勝ったことで、高知の深い馬場への適性も示したのでした。

 その後、佐賀に遠征したネクストスター西日本も快勝。勝ちタイムは2週前に行われた古馬重賞より1秒速いものでした。この時点で高知県在住のオーナーの意向もあり、地元・高知で三冠路線を歩むことになると思う、と田中守調教師は話していました。

 そしてその言葉通り、地元三冠路線を歩んだジュゲムーンは黒潮皐月賞、高知優駿と快勝。装鞍所では待たされるとイレ込んで立ち上がることもありましたが、高知優駿では厩舎装鞍に変えたことで落ち着きを保てました。一方で、大外枠だったことから黒潮皐月賞のように前に馬を置けず、道中は力んで走る場面も見られました。田中調教師はその点を気にかけ、赤岡修次騎手も「その分、最後の伸びには納得がいっていません」と話します。しかし、馬の後ろで砂を被せれば息を入れられることは黒潮皐月賞で証明済み。また、今回は逃げたユラリユラメイテは飛ばすタイプではなく、ペースが落ち着いたことも要因でしょう。

 三冠最終戦の黒潮菊花賞は今年から地方全国交流へと条件が変わります。未対戦の遠征馬が複数頭参戦することで、新たなレースぶりも見られるのではないかなと思います。

 こうしてジュゲムーンを中心に回った今年の高知優駿。前述の通り、これまでの地方全国交流から地元馬限定重賞へと条件が改められました。その理由は、ダート三冠が創設されたこと。東京ダービーがJRAと地方競馬各地から強い3歳馬が集い、頂点を競う一戦という位置づけとなっているため、こちらは高知所属馬の世代ナンバーワンを決める戦いへと変化したのです。一方で、高知三冠最終戦の黒潮菊花賞(1着賞金1000万円、1900m)を地方全国交流に開放。他地区の馬との対戦はここで実現することとなります。

 他にも今年の高知競馬はいくつかのレースで条件が変更されました(別表)。特に注目を集めたのは5月の福永洋一記念が地方全国交流へと開放されたことでしょう。その理由を高知県競馬組合の担当者は下記のように挙げます。

① 福永祐一調教師が「交流レースにしたい」と言ってくださったこと
② レースレーティングの向上
③ 他地区との交流レースの増加

 近年、レースの質向上が求められており、レースレーティングを上げるためには出走馬次第ではあるものの、他地区の馬も出走できるよう開放した方が可能性は高くなります。昨年までの他地区との交流重賞にはない距離設定という点から、1600mの福永洋一記念が開放されることとなりました。

 また、大晦日名物の高知県知事賞(1着賞金2000万円)は近畿・四国・九州地区の交流重賞になり門戸が開かれました。近年、各地で長距離重賞が減る傾向にあり、たとえば笠松・オグリキャップ記念は2500mから1400mに、園田・六甲盃は2400mから1870mへと距離短縮されて実施。そうした中、高知県知事賞は貴重な2400m重賞ですから、長距離戦を求めて遠征馬が集まる可能性も期待できます。

 こうして重賞レースの条件が進化しつつ行われている高知競馬。昨年に続き、馬場改修のため8月2週目から約1カ月の休催に入ります。休催前最後の開催となる8月3日に行われる黒潮菊花賞で、ジュゲムーンの高知三冠達成か、はたまた遠征馬の勝利か、注目を集めます。


大恵 陽子 (おおえ ようこ)

競馬リポーター。小学5年生からJRAと地方競馬二刀流の競馬ファン。関西を拠点に全国の競馬場で取材。グリーンチャンネル「地方競馬中継」、「アタック!地方競馬」出演のほか、優駿、競馬ブック、うまレター、netkeiba.com、地方競馬全国協会「LADIES JOCKEYS」などで執筆。