赤松杯・留守杯日高賞・栗駒賞・ダイヤモンドC

5月3日、2025年度の盛岡競馬が開幕した。岩手では珍しく7日までの5日間連続開催でスタート。昨年11月12日以来、半年ぶりの盛岡競馬を待ちわびた多くのファンが来場。ゴールデンウイークとあいまって3日は4535名、翌日4日は4818名が盛岡競馬を楽しんだ。
残念ながら売り上げ増加には直結しなかったが、大勢のファンに応援されると人馬もアドレナリンがアップ。いつも以上に激しい攻防が繰り広げられた。それでも5月7日終了時で発売額は前年比107・9%。今後、ビッグレースが続々と控えており、盛岡競馬は好ムードでシーズンインした。
続いて重賞レース回顧。古馬戦線はすべて5月18日、春のマイル王決定戦「第50回シアンモア記念」(盛岡ダート1600m)へ直結するレース。今年は1着賞金が1000万円から1500万円へ増額された。
4月15日はシアンモア記念トライアル「第50回赤松杯」(1着賞金500万円、水沢1600m)。1着馬から3着馬に優先出走権が与えられた。
昨年度の年度代表馬フジユージーンが始動。昨年11月、楠賞(園田)優勝以来の実戦だったが、単勝1・1倍の圧倒的1番人気に支持された。しかし勝ったのはヒロシクン(騸6、父ドレフォン、母エスプリドパリ=ハーツクライ、白老・㈲社台コーポレーション白老ファーム生産、馬主・瀬谷隆雄氏)。絶好のスタートを決め、上がり3ハロン36秒6でフィニッシュ。鮮やかな逃げ切りで昨年4歳以上最優秀馬の意地を見せた。
佐藤雅彦調教師「冬期間は昨年夏と同じく福島の牧場で休養させた。当初はシアンモア記念へ直行する考えもあったが、状態を見て赤松杯から始動を決めた。ジョッキーには指示は出していません。好きに乗ってこい。思いっ切り乗ってこいとだけ伝えたが、勝ってくれましたからね。今回の勝利は大きい。次走はシアンモア記念。今度はヘリオスも名乗りを上げそうですから楽しみです」

20日はグランダム・ジャパン3歳シーズン「第25回留守杯日高賞」(1着賞金500万円、水沢1600m)。優勝は大井代表フリーダム(父シャンハイボビー、母エターナルモール=エスポワールシチー、日高・槇本牧場生産、馬主・藤本栄史氏)。2番手追走から向こう正面で早々と先頭に立ち、そのまま押し切って4馬身差。余裕でゴールに入った。
宗形竹見調教師「今回は期待が大きかった。乗り方はジョッキー任せ。先行する馬があまりいなかったし、気がいいタイプ。前で競馬するだろうと思っていたが、結果いい競馬をしてくれた。長距離移動だったが、浦和を2度使っているので輸送上手。次走についてはオーナーと相談して決めたい。グランダムのポイントも狙う気もあるし、いくつかの選択肢を考えている」

27日は水沢1400m重賞「第37回栗駒賞」(1着賞金350万円)。今年の大物転入馬ヘリオスが名乗りを上げて俄然、注目の一戦となったが、道中の反応がひと息で0秒4差4着。果たして本番・シアンモア記念で変わり身を見せるのか。
優勝はスプラウティング(父ダイワメジャー、母ヒントオブスプリング=シーキングザゴールド、日高・ダーレー・ジャパン・ファーム㈲生産、馬主・鈴木雅俊氏)。逃げたマツリダワールドとの叩き合いを制して快勝した。昨年4月の天満橋ステークス後、去勢手術を施し中央2戦を使って転入。好発進を決めた。
酒井仁調教師「中間の追い切りで動かなかったので半信半疑だったが、最終追い切りで併せ馬をやってみたら反応が一変。いい競馬ができるかも、と好感触を持てて臨んだ。今回は前に行ったのも勝因だと思うが、実績通り1400mも合っている。次走予定はシアンモア記念。1600mは気持ち長い気がするが、こなせるか試したい気持ちもある。岩鷲賞(盛岡1200m)も視界には入っているが、状態を見ながら決めたいと思っている」

舞台は盛岡競馬場へ替わり、5月4日は東京ダービー指定競走・岩手クラシック1冠目「第45回ダイヤモンドカップ」(1着賞金1000万円、盛岡ダート1800m)。今年は遠征馬6頭、地元5頭の計11頭によって争われ、大井代表シーソーゲーム(牡、父ダーハー、母ベアーナウ=ティズナウ、米国産、馬主・保坂和孝氏)が完勝。逃げたバリウィールを直線入り口で交わし、4馬身差をつけて押し切った。
藤田輝信調教師「スタートがあまり良くない馬だが、今日は出た後の二の脚がすごく良くて、いい位置を取れて思っていた以上に強かった。今回は外枠だったからうまく運べたが、内枠だったら多分行けなかった。まだ体も幼いので、もっとしっかりしてきたらスタートも良くなると思う。次走についてオーナーサイドにまだ何も話をしていないが、行けるのであれば東京ダービーに行きたい」
今回の盛岡競馬から2歳新馬(ファーストステップ)がスタート。ダイヤモンドCと同日4日、第1Rで幕が明けた。1着はラブコラージェン(牡、父エポカドーロ、母ザマーチャン=ディープインパクト、浦河・㈲ケンブリッジバレー生産、馬主・内山一郎氏)が圧勝。2着に2秒4の大差をつけて逃げ切った。
菅原勲調教師「能力検査でもスピードを見せてくれたし、まじめに走っていた。輸送、左回りはまったく問題なく、軽い走路も合った。思ったより成長が遅いが、これからもっと伸びてくれると思う。チャンスがあれば芝を使ってみたい」
フレッシュ2歳馬が続々とラインナップに加わり、岩手競馬はさらに華やかさを増していく。
松尾 康司 まつお こうじ
1958年青森県三戸町出身。
いわて馬テシオ、週刊テシオ情報局編集長。学生時代にアルバイトをした牧場でトウケイニセイと出会い、馬と競馬に魅せられ、岩手競馬の情報紙に入社。 以来、岩手競馬はもちろん、全国の競馬場、世界各国の競馬取材を重ねてきた。1997年に地方競馬初の専門情報誌「テシオ」も立ち上げ、現在もさまざまなメディアで活躍中