若駒賞・青藍賞・オータムティアラ・ヴィーナススプリント
10月13日は岩手競馬の最大イベントであり、唯一のJpnⅠ「第38回マイルチャンピオンシップ南部杯」(1着賞金8000万円、盛岡ダート1600m)。出走メンバーは以下の通り(10月5日時点)。
◇JRA代表・ウィルソンテソーロ、クラウンプライド、グランブリッジ、サンライズジパング、シャマル、ペプチドナイル、リメイク(補欠・シックスペンス、ロードフォンス他)。
◇他地区地方代表・イグナイター、エコロクラージュ、ミックファイア。
◇岩手代表・ヘリオス、ライアン、スプラウティング、サンエイコンドル、マイネルアストリア、ゼットセントラル他。
昨年はフェブラリーステークスを23年に勝ったレモンポップと、24年に勝ったペプチドナイルがマッチレースの末、レモンポップが逃げ切りを決めて2連覇を達成。続くチャンピオンズカップでも2連覇を果たして種牡馬入りした。初年度から214頭の繁殖牝馬を集め、岩手競馬の周辺でも話題となった。
現在、4年連続で1番人気馬が優勝し、過去10年でも7勝と優勝確率は非常に高いが、今年は実力伯仲の状況だ。
目下JpnⅠ2連勝中のシャマルが人気を集めそうだが、どの馬が勝っても不思議なし。ウィルソンテソーロ、クラウンプライド、サンライズジパング、リメイクは盛岡コースで優勝しているが、1600mの距離は初めて。
逆に盛岡ダート1600mを経験しているのは22年シャマル3着。22年、23年イグナイター4、2着。24年ペプチドナイル2着、ミックファイア4着。そして岩手代表で臨むヘリオス2着とマイルCS南部杯の過去の優勝馬は不在。
さらにダート未経験だが、シックスペンスが仮に出走すれば人気の一角を形成しそう。父がキズナ、母フィンレイズラッキーチャームはGⅠ・マディソンSを含めてアメリカ11勝の強豪牝馬なので走る素地は十分。多士済々のメンバーがそろい、ファンからすれば馬券妙味もたっぷりあるといえる。
過去の南部杯1レースの最高売り上げは23年の21億7093万2700円(11年のJRA開催を除く)だが、今回の顔ぶれを考えれば記録更新の可能性もある。その意味でも目が離せなくなった。
若駒賞

続いてレギュラーの重賞結果を報告する。9月15日は2歳重賞「第45回若駒賞」(1着賞金400万円、水沢1600m)。単勝1.6倍の圧倒的1番人気に支持されたセイクリスティーナ(牝2、父タリスマニック、母グロワールポン=オルフェーヴル、浦河・T.Mファーム生産、馬主・金田成基氏、佐々木由則厩舎)が6馬身差で圧勝した。デビュー2戦目から4連勝、重賞3連勝を飾った。
佐々木由則調教師「テンションが上がってしまう性格だが、それがレースでいい方向に出ていると思う。今日は速いタイム決着だったから(同厩の)ジェイエルビットに有利かと踏んでいたが、思った以上に強かった。見た目は迫力がないように映るが、レースセンスがすばらしい。次走はプリンセスカップを考えている」
青藍賞

21日はマイルチャンピオンシップ南部杯トライアル「第33回青藍賞」(1着賞金500万円、水沢1600m)。1番人気はフジユージーンに譲ったが、僅差2番人気に支持されたヒロシクン(騙6、父ドレフォン、母エスプリドパリ=ハーツクライ、白老・社台コーポレーション白老ファーム生産、馬主・瀬谷隆雄氏、佐藤雅彦厩舎)が、鮮やかな逃げ切りを決めて4馬身差快勝。2着に退けたフジユージーンとの直接対決を3戦3勝とした。
佐藤雅彦調教師「フジユージーンがどこから来るか、鞍上も予想していたと思うのでしっかり乗ってくれた。3~4角辺りでいけるかなと思った。マーキュリーカップの疲れが残っていて厩舎に戻って来たのが8月下旬。牧場でしっかりケアしていてくれた分、ちょっとギリギリだったが状態は問題なかった。ここを勝ててホッとした。南部杯の優先出走権を取ったが、回復度合いが気がかり。地元のあすなろ賞へ向かおうかなと考えている」
オータムティアラ

28日は岩手牝馬三冠目「第6回オータムティアラ」(1着賞金600万円、水沢1900m)。ミナトミナイト(牝3、父エポカドーロ、母ウェーブピアサー=ゼンノロブロイ、新ひだか・谷藤弘美氏生産、馬主・山中元夫氏、伊藤和忍厩舎)が2番手追走から4角で先頭に立ち、そのまま押し切って2着に4馬身差勝利。ひまわり賞(岩手版オークス)に続いて牝馬二冠を獲得した。
伊藤和忍調教師「前走(ビューチフルドリーマーカップ)で強い馬にぶつけたのが、いい結果につながった。道中の手応えが良さそうだし、仕掛けてペースが上がったところで後ろも離れたので、これなら大丈夫だと思った。春から比べるとだいぶ成長したなと感じる。ここまで成長する馬もそうはいないので、自分も毎回レースを楽しみに見ている。次走はオーナーの希望通り、ロジータ記念挑戦を考えている」
ヴィーナススプリント

10月5日は牝馬重賞「第12回ヴィーナススプリント」(1着賞金350万円、水沢1400m)。2連覇の期待がかかった1番人気ミニアチュールは3着に敗れ、レディブラウン(7歳、父フリオーソ、青森県横浜町・風ノ丘ファーム生産)が快勝。重賞挑戦17度目でうれしい初制覇を果たした。
千葉幸喜調教師「これまで重賞で歯がゆい思いをしてきたが、今回は流れさえ向けばチャンスだと思っていた。調子の変動があまりなく、毎回コンスタントに走ってくれる。ここを目標に仕上げてきたので次戦はゆっくり考えるが、今後も短距離路線を進むと思う」
10月12日から舞台が盛岡競馬場へ移り、25年シーズンの岩手競馬もいよいよ佳境を迎える。
