25年JRA賞最優秀スプリンターサトノレーヴが社台スタリオンSに入厩

 史上2頭目の高松宮記念連覇を成し遂げ、世界のトップスプリンターと戦い続けたサトノレーヴ(7歳、父ロードカナロア、母チリエージェ=サクラバクシンオー、日高・白井牧場生産、馬主・里見治氏、美浦・堀宣行厩舎)が9月18日、種牡馬として過ごす社台スタリオンステーションに入厩した。540キロ近い馬体に卓越したスピードを備えた正統派のカナロア後継は、これから父として世界の舞台に産駒を送り込む。


 英国での4戦、香港での4戦を合わせ21戦9勝2着5回。25年にはJRA賞最優秀スプリンターに選出されたサトノレーヴが、大好きな北海道に種牡馬として戻って来た。19年セレクトセール当歳セッション出身。出迎えたオーナー関係者は「ロードカナロアにしては薄い感じの馬でしたが、動きが大きくて筋肉量の割にはバネがありました」と当時の印象を教えてくれた。

 デビューは4月の未勝利戦(中山芝1600m)と遅く、その後も使い込むことはできなかったが、5歳の春に本格化。春雷S(L)、函館スプリントS、キーンランドカップと3連勝し、トップグループに仲間入りした。同年12月には父が連覇した香港スプリントに挑み、世界最速のカーインライジングに約1馬身差の3着とワールドレベルのスピードを証明。次走の高松宮記念でGⅠホースになった。今年の同レースではレースレコードを0秒4上回るタイムをマークし連覇を達成。豪快に直線を突き抜けたシーンにファンは度肝を抜かれた。

 8度の海外GⅠレース出走は、ひ弱さがあった若駒の頃のイメージを完全に払拭した。長距離輸送にも動じない精神力と、使い減りしない強靭な肉体のどれもが成長の証だった。社台スタリオンステーションの徳武英介場長は「世界と渡り合ってきたというだけあって、胸も深いし、クッションもいい。堂々としたたたずまいです。種牡馬としてもスプリンターの頂点を目指してもらいたいし、こういう馬じゃないとやっぱりチャンピオンになれないのかなっていう思いです」と述べた。

 ミスブゼンを礎としてつながる牝系で、ミスゲランからモガミゲラン、メガミゲラン、チリエージェへ続く血統は白井牧場の歴史を築いた。サトノレーヴの半兄ハクサンムーン(父アドマイヤムーン)は、父のロードカナロアの好敵手として何度も対戦。セントウルSではクビ差で土を付けた。徳武場長は「白井牧場さまが大事にしてきた母系から生まれた馬ですし、兄弟も活躍しています。母の父であるサクラバクシンオーもいい味を出しています。背景的には申し分のない良血馬です」。

 父のロードカナロアは日本競馬史上最強のスプリンター。日本調教馬として初めて香港スプリントを勝ち、さらに連覇を達成。国内では、スプリンターズSと高松宮記念をコースレコードで制し、スプリントGⅠ3連勝も成し遂げた。父としての功績も絶大で、13シーズンで2605頭の繁殖を集め、産駒はあらゆるカテゴリーで9年連続GⅠ勝利を継続。JRA重賞は9月13日現在97勝を挙げている。後継のサートゥルナーリアは、JRA新種牡馬チャンピオンになり、2世代でGⅠ馬2頭を含む7頭の重賞馬を輩出している。徳武場長は「短距離に特化したという点で、正統派の後継になります。大事に育てたいですね。馬を見ていただければ、良さがよく分かると思います。来年は8歳ですから、最初からたくさん種付けできるように準備を進めていきます」と話していた。