山本大翔(やまもと・つばさ)騎手=船橋

~YJSファイナルラウンド出場騎手決定~

 ヤングジョッキーズシリーズ(YJS)はJRAと地方競馬の若手騎手が競馬の腕を競い合うシリーズ競走。17年から開催され、育成と交流を目的として高め合ってきました。今年は12月18日の園田、20日の中京で行われるファイナルラウンド進出に向け、全国各地でトライアルラウンドを実施。ポイント制で争われ、JRA所属騎手の東日本&西日本の各上位4名の計8名、地方競馬所属騎手の東日本&西日本の各上位4名の計8名、合計16名の出場騎手が決定しました(別枠参照)。今年の地方競馬東日本地区の1位は山本大翔騎手。名手の故郷としても知られる船橋競馬場に所属する売り出し中の若手騎手です。

~地方競馬東日本地区1位で通過~

 山本騎手は神奈川県出身の22歳。船橋の佐藤裕太厩舎所属です。幼少期はサッカー少年。年齢を重ねていくにつれ、小柄なことがネックとなり、サッカーでは苦労することが増えてきたそうです。そんな時に、競馬とは無縁の両親でしたが、小柄な体を生かせる騎手という職業があることを教えてくれたそうです(現在の身長は160センチ)。自身も動物が好きで、人馬一体となって走ることができる騎手と競走馬の関係性にも魅了され、高校2年生からこの道を志し始めました。24年4月に騎手デビュー。

 今回のヤングジョッキーズシリーズは6鞍に騎乗しました。トライアルラウンド船橋と盛岡でそれぞれ6番人気と5番人気の初騎乗馬を勝利に導き、トータルしても圧倒的なポイント数で1位通過。「ヤングジョッキーはペースとか展開とかなかなか読みづらいところもありますが、うまく勝たせてもらったレースは、展開を読みながら脚質を考えて、柔軟な乗り方ができたのは良かったと思います。やるからには1位で通過したかったのでうれしいです」とニッコリ。山本騎手は以前から「馬に合った騎乗ができるように心掛けています」と話していますが、それが功を奏した形。

~冷静に慌てずに乗る度胸~

 師匠の佐藤裕太調教師は一番弟子の充実ぶりに目を細めます。「怪我で3回ほど休んでいた時期を考えると、実質1年ぐらいしか乗っていないと思います。でも、どんどん上達して、うまくなっています。当たりも柔らかい。新人でも、冷静に慌てずドーンと構えて乗ることができる度胸も良いところです。ヤングジョッキーのようなレースでも勝ち急がないで、レースをしっかり見て流れに乗れていたのも好結果につながったと思います」。

 地方競馬の朝は早く、山本騎手も毎朝1時半に起床し、2時から9時頃まで20頭前後の調教に乗ります。関係者に聞くと、人柄からとても慕われ愛されている騎手。そこは、名伯楽・川島正行調教師の一番弟子だった佐藤調教師にも通ずるものがあります。佐藤調教師は山本騎手について「とても真面目でいい子ですよ。寝坊することもないです。馬に対してもすごく優しい子。だからと言って、かわいいだけで接するのではなく、ちゃんと厳しさも含めて愛情を注げるところに魅力を感じています。馬にストレスをかけたくないのは僕自身も大事にしていることなので、それを自然にできるところも成績につながってきていると思います」。

~結果を残して優勝したいです~

 ファイナルラウンドまで1カ月を切りました。山本騎手は、地方競馬教養センターの同期たちに久しぶりに会うことや普段はあまり接する機会のないJRAの騎手たちとコミュニケーションを取ることも楽しみと、目を輝かせます。「1位で通過できたことはうれしいですが、予選は予選としてもう終わったことなので、気持ちは切り替えています。何度もチャンスがある舞台ではないので、楽しむ気持ちと安全面に考慮して、結果を残して優勝したいです」と力を込めました。

 今後も関係者の信頼をつかみ、大舞台でもしっかり結果を残せるようになりたいと話す山本騎手。このヤングジョッキーでたくさんの人たちに名前を覚えてもらい、一歩ずつ前進していってほしいと思います。この経験が大きな財産になりますように!