【黒潮菊花賞】兵庫所属ラピドフィオーレV 地元ジュゲムーンは三冠ならず

 高知三冠クラシックの最終戦、第29回黒潮菊花賞(1着賞金1000万円、1900m、8月3日)は、兵庫所属のラピドフィオーレ(牡、父ホッコータルマエ、母ナナヨンハーバー=タイムパラドックス、新冠・カミイスタット生産、馬主・木村公子氏、田中範雄厩舎)が優勝し、昨年9月の兵庫ジュベナイルカップ以来となる重賞2勝目を挙げた。地元二冠馬で史上6頭目の高知三冠に王手をかけていたジュゲムーンは6馬身差の2着に敗れた。同レースは今年初めて地方交流として実施された。ラピドフィオーレ含め兵庫から3頭が挑戦した。

 黒潮菊花賞は今年から地方交流に位置付けられ、兵庫から3頭が出走。地元高知勢9頭を合わせ、フルゲート12頭で争われた。ラピドフィオーレは4番手追走から4角で先頭に立つと、直線でさらに差を広げジュゲムーン以下を寄せ付けなかった。田野豊三騎手は「高知の競馬ファンの皆さんにも応援していただけるよう、僕ら園田勢も頑張っていきます。良いライバルとして一緒に競馬をして、お互い盛り上げていきましょう、という気持ちでいっぱいです」とファンを喜ばせた。

 兵庫の怪物オケマルに最も近づいた馬がラピドフィオーレだ。園田でデビュー2連勝し、4戦目の兵庫ジュベナイルカップを高知・赤岡修次騎手とのコンビで勝ち、重賞制覇を果たした。次走でもコンビは継続し、ネクストスター園田でオケマルに半馬身差の2着に逃げ粘っていた。

 高知3歳クラシックで他地区所属馬が優勝したのは、昨年まで全国交流で実施されていた高知優駿を18年に佐賀のスーパージェットが勝って以来、2頭目の快挙だった。

 高知では今年から一部の重賞出走条件が変更され、福永洋一記念と黒潮菊花賞が地元限定戦から地方交流に変わった。交流元年の福永洋一記念はエコロクラージュが、黒潮菊花賞はラピドフィオーレが勝ち、兵庫所属馬が2レースとも制覇した。

 ラピドフィオーレの母ナナヨンハーバーも木村公子オーナーの所有馬。門別と園田で65戦12勝の成績を残し、兵庫クイーンカップを制している。ラピドフィオーレを生産した新冠町カミイスタットの上井武光さんは「入れ込む面が見られず強かったですね。母ナナヨンハーバーは、1歳の時に他の牧場からここに移って来ました。タフでたくさん走りましたし、ラピドフィオーレもたくましく成長しました。馬主さん、厩舎の方々皆さんに感謝します」と喜びを語った。ナナヨンハーバーの初仔のフェバリットロード(牝、父アジアエクスプレス)は現役時、園田と高知に所属していた。

 ユメノホノオ、プリフロオールインに続く3年連続三冠達成はならなかったジュゲムーンだが、2着は確保した。ジュゲムーンを生産した新冠町オリエント牧場にとって、00年オオギリセイコーに続く高知三冠にあと一歩届かなかった。同牧場の中川譲さんは「勝った馬は強かったですね」とラピドフィオーレに賛辞を送った。

 上井さんと中川さんは新冠中学校の先輩後輩の間柄。軽種馬青年部の会合などでも一緒になる旧知の仲だった。南国高知でのレースに、馬産地北海道の町にちょっとした火花が散った夜となった。