吉岡凌太(よしおかりょうた)さん 船橋競馬場の警備

~縁の下の力持ちのような存在が好き~

 船橋競馬場の警備会社のひとつで隊長としてまとめている吉岡凌太さん。コスプレをする警備さんとして話題沸騰中です。

 吉岡さんは千葉県市川市出身の31歳。子供の頃から熱心な鉄道ファンで、両親がさまざまな鉄道スポットに連れていってくれたそうです。その中でも、特に好きなのは線路。「幼少期から縁の下の力持ち的のような存在が好きでした。線路は重たい車両を支えているのが魅力で、子供ながらにメインを支えているということに興味を持ちました。それに、普段見慣れた線路でも、毎日使われていくと面白みもあって、些細な音の変化も感じるようになりますよ。かなりマニアックですが」と、はにかみながら教えてくれました。

 学校を卒業後、現在の警備会社に入社。当初は自身の趣味を生かして鉄道の警備、さらには道路、イベントなどを担当していたそうですが、仲が良かった方が船橋競馬場の警備をやめることになり、6年前に移動。「親がテレビで競馬中継をたまに見ていたことはありましたが、自分は全く興味のない世界でした。中に入ってからいろいろ勉強をして、今ではレースを見るのが楽しくなったし、感動もしています」。

~コスプレ警備さんのはじまり~

 現在は隊長として、数多くいるスタッフをまとめています。「お客様が関係者エリアに入らないような門番的な存在でもありますが、自分たちの警備は、お客様よりも競馬業務に密着している人と接する機会が多いです。馬場の出入口の開け閉めや、パドック、走路、装鞍所などに立って、馬の近くにいる機会が多いので、馬の様子を見て迷惑をかけないようにしながら、自分たちも怪我をしないようにというのは気をつけています」。

 そんな吉岡さんがコスプレをするようになったのは、控室の装飾から始まりました。「開催中はスタッフたちと同じ部屋で同じ朝礼をして、この時間帯はいつも同じことの繰り返し。ダラダラするのは嫌だったので、何か変化があればいいなと思っていました。真面目に業務をしなくてはいけませんが、楽しい気持ちでやるのもモットーにしています。季節感を出すのもいいのかなと思って、最初は自分たちがいる部屋の飾りつけをしました。ハロウィンやクリスマスの頃だったので、最初は部屋を装飾して、自分もハロウィンの時はドラキュラ、クリスマスの時はサンタの簡単な仮装をしたら、スタッフたちにウケました。パドックに、お客様が持ってきてくださった横断幕を貼る作業も自分たちがやっているので、開門直後のまだ馬がいない時間帯にその仮装でお客様の前に出るようになったら、反応を示してくださる方が増えていきました。だんだん認知されるようになると写真を撮っていただいたり、『次はどんな格好をするのですか?』と聞いていだいたり、モチベーションも上がっていきますね」。

 現在は重賞などの表彰式の準備時間帯にもそのコスプレ姿で登場するようになりましたが、表彰式はあくまでも関係者が主役で勝者を称える場なので、通常の制服姿に戻ります。基本的には馬がいない場所で盛り上げています。

~引っ込み思案な性格ですが~

 吉岡さんは、ハロウィン、クリスマスはもちろん、桜の季節、こどもの日、紫陽花の季節と開催ごとにさまざまな工夫を凝らします。そのアイデアと材料などの調達は、自身がボランティアでやっているため手作り感もたっぷり。「5月はこどもの日にちなんで五月人形風に仕上げる予定でしたが、なかなかうまくいかなくて、鬼のようになってしまいました。試行錯誤をしながらやっています(苦笑)」。

 さかのぼれば、縁の下の力持ち持ちのような存在が好きで、電車を支える線路に興味を持った吉岡さん。現在では、自身も警備に携わり、競馬場を支える一人。「元々の性格は引っ込み思案で、どちらかというと人前で何かをするのは得意ではないんです。でも、楽しんでくださっているという声を聞くと、やりがいを感じます。次開催はどんな仮装をするのかなと、皆さんのいい変化になっていたらうれしいです」と笑顔でした。