アメリカンファラオ、静内でもう1年 申し込み約900頭の産地要望に応える

 アメリカンファラオは米2歳・3歳牡馬チャンピオンに輝き、15年には米年度代表馬に選出された歴史的名馬。同年に37年ぶりの米クラシック三冠を達成し、BCクラシックも制覇。米三冠とBCクラシックを同一年に制する史上初のグランドスラムを成し遂げた。種牡馬としても日本でフェブラリーステークスを勝ったカフェファラオなどの活躍馬を輩出。6月20日には産駒のJRA勝利数が100勝に到達した。

 26年の1シーズン限定供用として来日したが、当初の想定を大きく上回る反響となった。同場の遊佐繁基場長は「選定されなかった馬も多く、心苦しい思いもありました」と述べ、「競走馬として、存在自体に価値がある馬。プレッシャーを感じながら、かなり神経を使いました。無事にシーズンが終わってほっとしています」とまずは生産者や関係者の気持ちを思いやり、今季を振り返った。

 アシュフォードスタッドから帯同した担当厩務員が、JBBAのスタッフとともにアメリカンファラオをケアした。同馬はすぐに環境に慣れ、スムーズに種付けシーズンに入ったという。遊佐場長は「取り扱いを熟知している米国の厩務員がそばに付いてくれていたので、シーズンを通して心強かったです」と同スタッドのサポートに感謝。海外ファンへの情報発信にも力を入れ、来日後はJBBAスタリオンズのインスタグラムでほぼ毎日、供用中の様子を英文付きの動画で紹介。フォロワーは昨年の約3000人から1万4000人超へ一気に増えた。「米国でファンがとても多い馬。どんな暮らしをしているか、不安に思う方もいると思います。アメリカにいる時より馬の様子を見られるようになったと、現地のファンからも好評です」。

 供用期間延長に向けた交渉は、種付けシーズンの早い段階から始まった。「ぜひ次年度もという声が生産者から寄せられました。そうした声に応えたいと、延長に向けて動き出しました」。クールモアからは日本での需要の高さに加え、静内種馬場の管理体制も評価されたといい、「先方も日本での成功を期待しており、その期待に応えたい。今は疲れを取って、しっかり休養してほしいです」とアメリカンファラオの体調を気遣った。

 アメリカンファラオ導入の効果は、JBBA全体にも波及した。今季はミスチヴィアスアレックス、カラヴァッジオの種付け数が100頭を超え、デクラレーションオブウォー、シャープアステカも80頭以上と交配した。静内種馬場の種付け頭数は693頭に達し、昨年の420頭台から大きく伸びた。JBBA全場では800頭を超えたという。「今年は忙しいシーズンになりました。たくさん種付けしましたが、それでもこなし切れず、希望に添えなかった牧場さんもあります。来年は幅広く利用いただきたいと思っています」と遊佐場長は話していた。