【UAEダービー】高昭牧場生産ワンダーディーンがUAEダービー制覇 日本馬の連勝を「5」に伸ばす

 アラブ首長国連邦(UAE)のメイダン競馬場で3月28日、ドバイワールドカップデーが開催され、6頭の日本調教馬が出走した。4RのUAEダービー(1着賞金約9000万円、ダ1900m)で、サウジダービーから転戦した浦河町㈲高昭牧場生産のワンダーディーン(牡3、父ディーマジェスティ、母ワンダーシエンプロ=ワンダーアキュート、馬主・山本能成氏、栗東・高柳大輔厩舎)が日本調教馬5連覇を達成した。ドバイワールドカップでサウジカップからの連勝を狙ったフォーエバーヤングは2着に敗れた。


 受け継がれてきた「桃、白菱山形」の勝負服のワンダーディーンが、前を走るシックススピードを残り150m付近で捕らえ突き放す。分娩兆候が現れた繁殖牝馬をモニターカメラで監視しながら、レースを観戦していた高昭牧場の上山泰憲代表は、ゴールを見届けるとすぐに繁殖厩舎に向かった。「レース直後から山本オーナーや、応援してくれた人たち、仲間の牧場からもメールが届き始めました。それがお産が終わった朝5時ころまで続きました」と激動の一日を振り返った。

 1965年(昭和40年)に創業した総合牧場。約80頭の繁殖の世話をし、多い時には70頭の育成を手掛ける。コンサイニングも請け負う。13年にオークスと秋華賞、エリザベス女王杯を制覇しJRA賞最優秀3歳牝馬を受賞したメイショウマンボ、ターコイズSを連覇したミスニューヨーク、デビューから4連勝し桜花賞で1番人気に推されたサイコーキララなどの活躍馬を生産してきた。

 ワンダーディーンの母はJBCクラシックなどJpnⅠ3勝を含め、グレードレースを7勝したワンダーアキュートの産駒。ダート中距離で3勝し、同馬の産駒としてはJRAで最も賞金を稼いだ。ワンダーディーンはその初仔で5代母には桜花賞馬のアラホウトク。5代血統表の牝系にはバゴ、ピルサドスキー、ダンシングブレーヴといった名馬の名が並ぶ。上山代表は「山本オーナーらしい、思い入れのある血統ですよね。ディーマジェスティとの配合もオーナーが決めました。初仔にしてはしっかりとした体つきで、ケガをすることもなくすくすくと育ちました」

 2歳7月の函館芝1800mでデビュー。2戦目でダートに転じ2着に8馬身差を付け圧勝した。その後2戦は0秒1差2着だったが、先着したパイロマンサーは全日本2歳優駿を制覇し、ロックターミガンは京浜盃で優勝した。パイロマンサーとはUAEダービーで再戦し、約8馬身先着した。

 高昭牧場生産馬の海外レース出走は、15年に豪に遠征しコーフィールドC、メルボルンカップCに挑んだホッコーブレーヴ以来2頭目。上山代表は「状況が状況だけに心配はしました。日本の馬が出走する最初のレースで相手も正直よく分からない。勝てるとは思っていませんでした。山本オーナーには先代の時代から馬を買っていただき、ずっとお世話になってきました。少しは恩返しできたと思います。スタッフみんなも起きて応援していたんでしょうね。朝になってみんなで喜びました」

 母のワンダーシエンプロは3月11日にオナーコードの牡馬を出産した。「ひいき目に見てしまいますが、とてもいい馬」と上山代表は成長を楽しみにしている。

 「桃、白菱山形」の勝負服で桜の女王になったワンダーパヒュームが、レース中の事故で亡くなった2カ月後に第1回ドバイワールドカップが行われた。あれから30年目のドバイワールドカップデーは無事に終わった。ワンダーディーンは5月2日にチャーチルダウンズで行われるケンタッキーダービーに向かう。